大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和36(オ)680 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人らの負担とする。

理 由

上告代理人青柳洋、同小関淑子の上告理由第一点について。

亡Dが亡Eから本件土地の贈与を受けたものと信じていたとの事実は、原審の認

定しないところであり、原審が所論の点に関して判示するところの趣旨は、後見人

Dが被後見人E所有にかかる本件土地を後見人としてEのため占有していたに過ぎ

ず、自ら所有の意思を以つてこれを占有していたものではないから、結局時効取得

の主張はこれを採用することができないというにあることが窺われ、原審挙示の証

拠関係に照せば、右事実認定ないし判断は正当として肯認できる。所論は、原判決

を正解せず、原審の認定しない事実に基づいて、独自の見解をいうに過ぎないから、

採用できない。

同第二点について。

所論は、原判決には民法一八六条一項の適用を誤つた違法があるという。しかし

前記第一点に対する判断に説示したとおり、原判決の判示するところの趣旨が上告

人において本件土地を所有の意思を以て占有したものではないというにあることが

窺われる以上、民法一八六条一項の推定規定の適用が排除されることは当然であり、

原判決に違法の点はないから、所論は採用できない。

同第三点について。

亡DがFの死亡後直ちに所有の意思を以て本件土地の占有を開始したことは原審

の認定しないところであり、所論は結局、原審の認定しない事実を主張して、原審

の事実認定、証拠の取捨判断を非難するに過ぎないから、採用できない。

同第四点について。

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所論は、原判決が亡Eの亡Dに対する本件土地の贈与の事実を認めなかつたのは

条理に反するものであるという。しかし、亡Fが亡Eの法定代理人としてE所有の

本件土地を自己の死亡によつて所有権が移転するとの約で贈与した事実は認められ

ないとした原審の事実認定、判断は、その挙示の証拠関係に照して肯認できるとこ

ろであり、右認定判断が条理に反するものとは到底みとめられず、その他所論は、

原審の認定しない事実を主張して原審の事実認定を非難するに帰するから、採用で

きない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員の一致で、

主文のとおり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 河 村 又 介

裁判官 石 坂 修 一

裁判官 横 田 正 俊

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